最終確認日:令和8年8月5日|反映済みの疑義解釈:その1〜その11(令和8年7月30日発出分まで。機能強化型に触れた問答は確認できませんでした →開示

機能強化型訪問看護ステーションとは、訪問看護管理療養費のうち機能強化型1から4のいずれかを届け出たステーションのことです。令和8年6月1日から、この区分に4が加わり、1・2・3の金額も上がりました。

ここで起きやすい取り違えが2つあります。1→2→3→4を上から下への階段だと思うこと。そして「4は精神科向けだから3より軽い」と考えることです。告示と通知を読むと、どちらも成り立ちません。3と4は金額が同じ9,030円で、人員要件の条文も同一。違うのは実績要件だけです。

告示第74号・第75号と保医発0305第9号の届出基準を原文で確認して、4区分の違い、収支の差、届出の出し方と受理のタイミング、算定を始めたあとに要件を維持する話までをまとめました。一次資料で裏が取れなかった点は、そのまま書いています。

先に結論

問い 答え
何が変わったのか 機能強化型4が新設され、1・2・3の額も上がった(→1-1
月の初日はいくらか 1が13,760円、2が10,460円、3と4が9,030円、機能強化型以外が7,710円(→1-1
何回算定できるのか 利用者1人につき月の初日の訪問の1回だけ。2日目以降は別区分(→7章
3と4の違いは 金額も人員要件も同じ。違うのは実績要件で、階段ではなく分岐(→3-6
人員のいちばんの落とし穴 常勤換算で埋められるのは1と2だけ。3と4は常勤職員のみ(→2-1
専門の研修を受けた看護師は必須か 必須は1だけ。2・3・4は「望ましい」(→2-3)。同じ看護師は専門管理加算の要件にも効きます
4の実績要件で誤りやすい点 (ロ)は「①及び②」でAND。ORで読むと該当者を過大に数える(→3-3
収入はいくら変わるのか 差は月の初日の1回分だけ。医療保険の利用者数で決まる(→4章
いつから算定できるか 月末までに受理されれば翌月から。月の最初の開庁日に受理なら当月1日から(→5-2
出せば受理されるのか 審査に「受け付けた日から2週間以内」が標準。提出日は受理日ではない(→5-3
取ったあとは 毎年8月1日現在で定例報告。満たさなくなればその月に変更届(→6章
1・2・3を算定中だが再届出は要るか 不要。ただし4は新規届出が必要(→1-3

急ぎの方へ


1. 令和8年6月に変わったこと

1-1. 金額の新旧対照

訪問看護管理療養費は、月の初日の訪問とそれ以外で構造が分かれます。機能強化型が関係するのは月の初日だけです。

区分 令和8年5月31日まで 令和8年6月1日から
イ 機能強化型訪問看護管理療養費1 13,230円 13,760円 +530円
ロ 機能強化型訪問看護管理療養費2 10,030円 10,460円 +430円
ハ 機能強化型訪問看護管理療養費3 8,700円 9,030円 +330円
ニ 機能強化型訪問看護管理療養費4 (なし) 9,030円 新設
ホ イからニまで以外の場合 7,670円 7,710円 +40円

いずれも1人の利用者につき月1回、その月の最初の訪問日に算定します。月内に何回訪問しても、この額が2回計上されることはありません。2日目以降は7章の別区分です。

1-2. 機能強化型4は「4番目に軽い区分」ではない

新設された4は、3と同額の9,030円です。金額を同じにしたということは、上下関係ではなく並列の選択肢として置いたということになります。

3の実績要件は、別表第七に規定する疾病等の利用者・別表第八に掲げる者・精神科重症患者支援管理連携加算を算定する利用者が月に10人以上、または複数の訪問看護ステーションで共同して訪問看護を提供する利用者が月に10人以上。一方の4は、別表第七・第八が月3人以上に加えて、精神障害のうち重点的な支援を要する者が月7人以上です。

身体的に重い利用者を10人集められるステーションは3、精神科に軸足があって重点支援対象を抱えているステーションは4。同じ額の入口が2つある、という設計です。選び方は3-6で扱います。

1-3. 1〜3を算定中なら再届出は不要。4は新規届出

令和8年5月31日時点で機能強化型訪問看護管理療養費1・2・3を算定していて、6月以降も引き続き同じ区分を算定する場合、新たな届出は必要ありません。地方厚生局が改定にあたって示している取扱いです。

4は新設なので、算定するには新規に届け出る必要があります。3から4へ移る場合も、4から3へ移る場合も同じです。

1-4. 紛らわしい番号を先に整理しておく

この制度は、同じ数字と記号が別の意味で何度も出てきます。読み進める前に並べておきます。

表記 何を指すか 出てくる場所
機能強化型1・2・3・4 月の初日の訪問の区分 告示 区分番号02の「1 月の初日の訪問の場合」イ〜ニ
訪問看護管理療養費1・2 令和8年5月31日で廃止された、月の2日目以降の区分(3,000円と2,500円) 改定前の告示
イ・ロ・ハ・ニ・ホ 月の初日の5区分(機能強化型1〜4+それ以外) 告示 区分番号02の1
イ・ロ・ハ 月の2日目以降の、単一建物居住利用者の人数区分 告示 区分番号02の2
イ・ロ 24時間対応体制加算の2区分(負担軽減の取組の有無) 告示 区分番号02の注
(1)(2)(3)(4) 届出基準 第6の項番号。機能強化型1〜4に対応 保医発0305第9号 別添
(イ)(ロ)(ハ) 各区分の実績要件の下位項目 同上 第6の各区分のエ
(Ⅰ)(Ⅱ) 介護保険の看護体制強化加算の区分 介護報酬。医療保険の機能強化型とは別制度(→8-3

紛れやすいのは2つ目です。「訪問看護管理療養費1」は機能強化型1のことではありません。月の2日目以降の区分として存在していたもので、令和8年5月31日をもって廃止されました。改定前の資料や、更新されていない解説記事を読むときに混ざります。

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2. 機能強化型1〜4の要件早見表

要件は保医発0305第9号の別添「届出基準」第6に、(1)が機能強化型1、(2)が2、(3)が3、(4)が4という順で書かれています。号はア・イ・ウ…と並び、後ろの区分は「(3)のウを満たすものであること」のように前の区分を参照する形が多用されています。読み解きにくいのはこの参照のためです。

2-1. 常勤換算が使えるのは1と2だけ

人員要件(各区分のア)を並べると、区分ごとの性格がはっきりします。

区分 常勤看護職員の数 非常勤の常勤換算による算入
機能強化型1 7以上 1人分まで可(残る6は常勤職員のみ)
機能強化型2 5以上 1人分まで可(残る4は常勤職員のみ)
機能強化型3 4以上 不可(常勤職員のみの数とする)
機能強化型4 4以上 不可(常勤職員のみの数とする)

いずれもサテライトに配置している看護職員を含めて数えます。

7人と4人という数字だけを見れば3・4のほうが軽く見えます。ところが1と2は非常勤看護職員の実労働時間を常勤換算して1人分を埋めることができ、3と4は4人全員が常勤でなければなりません。週3日勤務の看護師を2人集めても、3・4の人員要件では1人にも数えられない。

なお、3と4のアは条文が同一です。「常勤の看護職員の数が4以上であること(サテライトに配置している看護職員を含む。)。当該職員数については、常勤職員のみの数とすること。」という一文が、(3)と(4)の両方に置かれています。

2-2. 「常勤」の定義は、この通知にはない

人員要件が常勤かどうかで決まる以上、常勤の定義が問題になります。育児のための短時間勤務者、育児休業から復帰したばかりの職員、管理者や事務を兼務している看護師。これらの扱いを定めた記述は、保医発0305第9号を確認した範囲では見当たりませんでした。 常勤換算の方法についても、「非常勤看護職員の実労働時間を常勤換算し算入することができる」という書き方があるだけで、計算式の定義はありません。

判断に迷う職員がいる場合は、届出前に管轄の地方厚生(支)局へ照会してください。その際は「届出基準 第6の(3)のアの常勤看護職員に、就業規則上の短時間勤務者を算入できるか」のように、号と対象を特定して聞くと回答が早くなります。

2-3. 専門の研修を受けた看護師が必須なのは1だけ

ここは競合記事でも扱いが割れているところです。原文にあたると、必須と望ましいがはっきり書き分けられています。

区分 専門の研修を受けた看護師
機能強化型1 配置されていること(必須)
機能強化型2 配置されていることが望ましい
機能強化型3 配置されていることが望ましい
機能強化型4 配置されていることが望ましい

必須なのは1だけです。ここでいう専門の研修とは、国または医療関係団体等が主催する600時間以上の研修(修了証が交付されるものに限る)か、保健師助産師看護師法第37条の2第2項第5号に規定する指定研修機関において行われる研修を指します。

2を狙うステーションが、専門看護師・認定看護師の確保を前提条件だと考えて届出を見送る必要はありません。

2-4. 実績要件は区分で性格がまったく違う

1と2は看取りと重症児、3と4は疾病等の該当者数です。

機能強化型1は次のいずれかを満たします。

  • ターミナルケア件数の合計が前年度に20以上
  • ターミナルケア件数の合計が前年度に15以上、かつ15歳未満の超重症児・準超重症児の利用者数の合計が常時4人以上
  • 15歳未満の超重症児・準超重症児の利用者数の合計が常時6人以上

機能強化型2は同じ構造で、20が15に、15が10に、4人が3人に、6人が5人に置き換わります。

ターミナルケア件数は、訪問看護ターミナルケア療養費の算定件数だけではありません。介護保険のターミナルケア加算の算定件数、在宅がん医療総合診療料を算定していた利用者のうち在宅で死亡した者の数、6月以上訪問していて意向に基づき7日以内の入院を経て連携医療機関で死亡した者の数を合計します。超重症児・準超重症児は、基本診療料の施設基準等の別添6・別紙14の判定基準によるスコアが10以上の者です。なお、訪問看護ターミナルケア療養費そのものの1(25,000円)と2(10,000円)の区分や、死亡日前15日間の数え方はこちらの記事で解説しています。

3と4には、ターミナルケア件数も超重症児の要件もありません。

機能強化型3の実績要件は1本です。別表第七に規定する疾病等の利用者、別表第八に掲げる者、精神科重症患者支援管理連携加算を算定する利用者が合わせて月10人以上いること。あるいは、複数の訪問看護ステーションで共同して訪問看護を提供する利用者が月10人以上いること。3つの対象を合算できる点と、共同提供という別ルートがある点が、4との違いです。

機能強化型43章でまとめて扱います。

1・2と3・4で共通するのは、居宅介護支援事業所等の設置が1・2だけの要件だという点です。機能強化型1・2は、同一敷地内に居宅介護支援事業所を設置したうえで、特に医療的な管理が必要な利用者の1割程度について介護サービス計画または介護予防サービス計画を作成していること。あるいは特定相談支援事業所・障害児相談支援事業所を設置してサービス等利用計画を作成していることが求められます。設置するだけでは足りません。

2-5. 4区分まるごと比較表

1 2 3 4
月の初日の額 13,760円 10,460円 9,030円 9,030円
常勤看護職員 7以上(1人常勤換算可) 5以上(1人常勤換算可) 4以上(常勤のみ) 4以上(常勤のみ)
看護職員6割以上
24時間対応体制加算の届出
ターミナルケア件数 前年度20以上等 前年度15以上等
超重症児・準超重症児 常時4人/6人 常時3人/5人
別表第七・第八等の利用者 月10人以上 月3人以上
精神障害の重点支援対象 月7人以上
退院時共同指導加算の実績 直近3月 直近3月
同一敷地内医療機関以外の主治医 直近3月に1割以上 直近3月に1割以上
地域への研修 実施(回数の定めなし) 実施(回数の定めなし) 直近1年に2回以上 直近1年に2回以上
地域への情報提供・相談の実績 直近1年 直近1年
地域の連携機関5以上 ○(年3回以上の面会)
居宅介護支援事業所等の設置と計画作成
専門の研修を受けた看護師 配置(必須) 望ましい 望ましい 望ましい

「—」はその区分の要件として置かれていないという意味で、満たしていてはいけないという意味ではありません。

退院時共同指導加算の実績には、件数の定めがありません。原文は「直近3月において、地域の保険医療機関以外の保険医療機関と共同して実施した退院時の共同指導による退院時共同指導加算の算定の実績があること」で、直近3か月に1件でもあれば満たします。ただし相手方が「地域の保険医療機関以外」に限られる点に注意してください。

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3. 機能強化型4は誰のための区分か

3-1. なぜ新設されたのか

機能強化型3は、精神科に強いステーションのための区分としても作られています。実績要件に「精神科重症患者支援管理連携加算を算定する利用者」が入っているのはそのためです。人員要件は常勤4人と、1の7人・2の5人より軽い。それでも届出は伸びませんでした。

区分 届出数(令和6年8月時点)
機能強化型訪問看護管理療養費1 477
機能強化型訪問看護管理療養費2 314
機能強化型訪問看護管理療養費3 172

人員が軽いはずの3が、1の3分の1あまりにとどまっています。理由は実績要件の側にありました。精神科重症患者支援管理連携加算は、訪問看護ステーション側の努力だけでは算定できません。医療機関が精神科在宅患者支援管理料を算定していることが前提だからです。中央社会保険医療協議会の資料に、その算定実績が出ています。

精神科在宅患者支援管理料2の算定回数は、イが0件、ロが9件(令和6年8月審査分)。

全国の医療機関を合わせた1か月の回数です。この水準では、訪問看護ステーション側がこの加算の算定者で人数を積むことはできません。別表第七・別表第八の該当者と合算できるとはいえ、精神科訪問看護を主に提供しているステーションが身体的に重い利用者を10人集めるのも簡単ではない。4は、その閉じていた入口を開け直すために置かれた区分だと読めます。

3-2. エの(イ):別表第七・第八が月3人以上

4の実績要件は、届出基準第6の(4)エに置かれています。構造はこうです。

エ 次の(イ)及び(ロ)を満たすこと。また、(ハ)を満たしていることが望ましい。

まず(イ)。特掲診療料の施設基準等別表第七に規定する疾病等の利用者、または別表第八に掲げる者が月に3人以上いることです。

3が求める10人に対して3人。ここは大きく緩んでいます。ただしゼロではありません。精神科だけを見ているステーションでも、身体的に重い利用者を月3人は抱えている必要があります。

別表第七は20項目で、末期の悪性腫瘍、多発性硬化症、重症筋無力症、スモン、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症、ハンチントン病、進行性筋ジストロフィー症、パーキンソン病関連疾患、多系統萎縮症、プリオン病、亜急性硬化性全脳炎、ライソゾーム病、副腎白質ジストロフィー、脊髄性筋萎縮症、球脊髄性筋萎縮症、慢性炎症性脱髄性多発神経炎、後天性免疫不全症候群、頸髄損傷、人工呼吸器を使用している状態です。パーキンソン病はホーエン・ヤールの重症度分類がステージ3以上かつ生活機能障害度がⅡ度またはⅢ度に限られるなど、項目ごとに限定が付くものがあります。

別表第八は5号構成で、在宅麻薬等注射指導管理などを受けている状態、気管カニューレや留置カテーテルを使用している状態、人工肛門・人工膀胱を設置している状態、真皮を越える褥瘡の状態、在宅患者訪問点滴注射管理指導料を算定している者などが該当します。全項目と各号の内訳は訪問看護の別表7・別表8|違いと令和8年6月改定の追加項目にまとめました。

数えるときの注意が1つあります。別表第七と別表第八の両方に該当する利用者を、2人と数えることはできません。 別紙様式6の記載上の注意に「複数に該当する利用者にあっては、最も該当する1項目に計上すること」とあります。人工呼吸器を使用している状態は別表第七の20番でもあり、別表第八の第二号でもある。この重複を放置すると、届出書の人数が実態より多くなります。

判定の材料は、主治医から交付された訪問看護指示書の傷病名欄と、指示書の「使用医療機器等」「該当する疾病等」欄です。指示書の記載と別表の項目の突き合わせ方は、上記の記事で欄ごとに整理しています。

3-3. エの(ロ):「①及び②」であって「①又は②」ではない

ここが4の要件でいちばん誤りやすい箇所です。条文はこうなっています。

(ロ) 以下の①及び②に該当する利用者又は③に該当する利用者が月に7人以上いること。  ① 1年以上の入院歴を有する者又は入退院を繰り返す者(直近の入院が、措置入院、緊急措置入院又は医療保護入院であり、かつ当該直近の入院の入院日から起算して過去3月以内に措置入院、緊急措置入院又は医療保護入院をしたことのある者に限る。)  ② GAF尺度が40以下の者  ③ 精神科重症患者支援管理連携加算を算定する利用者

「①及び②に該当する利用者」です。①と②の両方を満たす人を1人と数えます。①だけの人、②だけの人は、この枠に入りません。

さらに①には括弧書きが付いています。「1年以上の入院歴を有する者又は入退院を繰り返す者」という前半だけを読むと該当者は相当な数になりますが、括弧の中で、直近の入院が措置入院・緊急措置入院・医療保護入院であること、かつその直近の入院の入院日から起算して過去3月以内にも措置入院・緊急措置入院・医療保護入院をしたことがあること、という二重の限定が掛かります。任意入院を繰り返している人は①に入りません。

月に7人以上必要なのは、次の合計です。

  1. 「①の限定を満たす」かつ「GAF40以下」の利用者
  2. 精神科重症患者支援管理連携加算を算定している利用者

3-1で見たとおり2の発生は限られるため、実務上は1で7人を積むことになります。①をORで読むと該当者を大幅に多く数えることになり、届出後に基準を満たしていないことが判明した場合、算定額は不当利得として返還の対象になります(→6-3)。

なお、①の入院歴をステーション側が何で確認するかについては、通知に定めがありません。主治医への情報照会、退院時共同指導の記録、退院後支援計画の写しなどが実務上の手がかりになりますが、根拠を残しておかないと定例報告や運営指導で説明できません。GAF尺度の評価と記録の残し方は精神科訪問看護基本療養費|令和8年6月改定の区分と算定要件で扱っています。

3-4. エの(ハ):望ましい要件

(ハ)は「望ましい」であり、満たさなくても届出はできます。直近1年に次のいずれかに該当する利用者がいることです。

  • 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律による決定を受けた対象者のうち、医療観察訪問看護の利用者
  • 措置入院または緊急措置入院を経て退院した者で、都道府県等が作成する退院後支援計画に基づく支援期間にある者
  • ひきこもり状態、または精神科の未受診・受診中断等を理由とする行政機関等の保健師その他の職員による家庭訪問の対象者
  • 市町村、保健所等の行政機関または地域包括支援センターが実施する会議等において、支援調整の対象である者

必須ではありませんが、この4項目は4がどういうステーションを想定した区分かを示しています。

3-5. ケ:連携機関5以上、3分類以上、年3回の面会と記録

4だけに課されている要件が、地域の連携機関に関する号です。条件は4つあり、すべて満たす必要があります。

  1. 連携機関の数の合計が5以上
  2. 次の5分類のうち少なくとも3つ以上との連携を有すること
  3. それぞれの連携機関の職員と年3回以上、対面またはビデオ通話が可能な機器を用いて面会し情報共有すること
  4. 年3回以上の面会の日付・担当者名・目的・連携機関の名称等を一覧できるよう記録すること

5分類は、連携する保険医療機関/障害者総合支援法に基づく相談支援・地域移行支援・共同生活援助・就労継続支援等の障害福祉サービス等事業者/児童福祉法に基づく障害児相談支援事業所等/介護保険法に定める居宅サービス事業者・居宅介護支援事業者・施設サービス事業者等/精神保健福祉センター・保健所・都道府県または市区町村の障害福祉担当部署、です。

医療機関5か所とだけ連携していても要件を満たしません。分類をまたぐ必要があります。

4つ目は事務の話です。面会の事実があっても、一覧できる記録がなければ実績として示せません。5機関それぞれと年3回なら年15回分。日付・担当者名・目的・機関名を、届出のときと定例報告のときに提示できる形で残しておく必要があります。日々の記録ソフトの連絡記録に散っている状態だと、届出の直前に1年分を掘り起こす作業が発生します。

3-6. 3と4はどちらも9,030円。どちらを取るか

同額なので、判断材料は「どちらの実績要件なら継続的に満たせるか」だけになります。

機能強化型3 機能強化型4
9,030円 9,030円
常勤看護職員 4以上(常勤のみ) 4以上(常勤のみ)
別表第七・第八等 月10人以上(精神科重症患者支援管理連携加算の算定者を合算可。複数ST共同10人以上でも可) 月3人以上
精神障害の重点支援対象 要件なし 月7人以上
地域の連携機関 要件なし 5以上・3分類以上・年3回の面会と記録
同一敷地内医療機関以外の主治医 直近3月に1割以上 直近3月に1割以上
退院時共同指導加算の実績 直近3月 直近3月
地域への研修 直近1年に2回以上 直近1年に2回以上

分岐の目安は次のとおりです。

別表第七・第八の該当者が月10人前後いるなら3。 連携機関の要件も面会記録の要件も付かないため、事務の負担は明確に軽くなります。

別表該当者が3人以上10人未満で、GAF40以下かつ措置入院等の履歴がある利用者を7人以上抱えているなら4。 ただし連携機関の要件が加わるので、届出前に5機関・3分類の目処と、面会記録の残し方を決めておく必要があります。

なお、この人数の判定に使う別表第七・別表第八の該当者と、特別訪問看護指示書の交付を受けている利用者は別の枠です。特別指示書のほうは特別訪問看護指示書|14日の数え方と月2回・レセプト記載で扱っています。

どちらの実績にも届かない場合は機能強化型以外の7,710円で、3または4との差は利用者1人あたり月1,320円です。3と4のあいだに金額の差はありません。

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4. 区分が変わると収入はいくら変わるか

4-1. 差は月の初日の1回分だけ

計算は単純です。区分が変わっても、動くのは月の初日の1回分だけだからです。

移行 利用者1人あたり月額の差
機能強化型以外 → 3または4 +1,320円
機能強化型以外 → 2 +2,750円
機能強化型以外 → 1 +6,050円
3または4 → 2 +1,430円
3または4 → 1 +4,730円
2 → 1 +3,300円

これに掛けるのは医療保険の利用者数です。訪問看護管理療養費は医療保険の区分なので、介護保険の利用者には算定しません。同じ利用者数でも、医療保険と介護保険の比率で差額は変わります。

4-2. 規模別の年間差額

医療保険の利用者が全員、毎月1回は算定できるものとした場合の年間差額です。

医療保険の利用者 以外→3・4 以外→2 以外→1 3・4→1
15人 約24万円 約50万円 約109万円 約85万円
25人 約40万円 約83万円 約182万円 約142万円
40人 約63万円 約132万円 約290万円 約227万円

実際にはこれより下振れします。月の途中で開始した利用者、入院していて1度も訪問がなかった月、月の途中で終了した利用者には算定できないためです。自分のステーションで直近3か月の医療保険レセプトの件数を数えて、そこに差額を掛けるのが正確です。

4-3. 負担側に何が乗るか

金額を出せるのは収入側だけです。負担側は要件ごとに性格が違うので、費目で並べます。

1・2は、常勤看護職員7人ないし5人の人件費、居宅介護支援事業所または特定相談支援事業所の設置と運営、その事業所で医療的な管理が必要な利用者の1割程度の計画を作成する工数。1はこれに専門の研修を受けた看護師(600時間以上の研修)の配置が必須で加わります。

3・4は、常勤4人を常勤換算なしで揃えること。時短勤務者や非常勤で埋められないので、採用と定着の話になります。加えて直近1年間に地域向けの研修を2回以上実施する工数。

4だけにさらに、連携機関5か所との年3回の面会(年15回分)と、その記録の維持が乗ります。

このうち一度整えれば維持コストが下がるものと、人件費として毎月出続けるものが混ざっています。常勤を1人増やして3を取りに行くかどうかは、上の差額表と人件費を並べれば判断できます。医療保険の利用者が25人なら年約40万円。その4人目の常勤は、来年8月の定例報告のときも常勤4人のままでいられるか。ここが実際の分かれ目です。

この記事では「◯人以上なら取るべき」という結論は出しません。 医療保険の利用者比率、常勤を増やせるかどうか、事務の余力で答えが変わり、前提の違う読者に誤った判断をさせるためです。

届出まわりの事務についてご相談はこちら

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5. 機能強化型の届出の実務

5-1. 使う様式は別紙様式6

機能強化型訪問看護管理療養費の届出には、1から4まで共通で別紙様式6を用います。届出は訪問看護ステーション単位で、所在地を管轄する地方厚生(支)局長に提出します。受理番号は区分ごとに「訪看機1」から「訪看機4」まで分かれます。

様式6の記載欄は相対表記です。「前年度( 年度)のターミナルケアの実施件数」「直近3ヶ月間の月別」「直近1年間における」といった書き方で、記入する側が期間を確定させる必要があります。記載上の注意には、非常勤看護職員について実人数に加えて常勤換算後の員数を記載すること、複数に該当する利用者は最も該当する1項目に計上することが示されています。

添付書類について、保医発0305第9号は「別紙様式1から13までによる届出書の1通を提出すること」と定めるだけで、一般的な列挙をしていません。地方厚生局が個別に案内しており、たとえば近畿厚生局は機能強化型訪問看護管理療養費の欄に「専門の研修を修了したことが確認できる文書を添付すること」と付記しています。添付書類の案内は管轄局のページで確認してください。 様式のダウンロードも同じページにあります。

5-2. いつ出せばいつから算定できるか

通知にはこうあります。

各月の月末までに受理したものはその翌月から、月の最初の開庁日に受理した場合は、当該月の1日から当該療養費を算定すること。

原則は月末までに受理されれば翌月から。加えて、月の最初の開庁日に受理された場合はその月の1日にさかのぼって算定できるという例外があります。

訪問看護の届出を扱うときは、この「月の最初の開庁日」の枠を覚えておくと1か月分の取りこぼしを防げます。なお介護保険側の体制届は別の期限で動きます。医療は地方厚生局長あてで月末までに受理されれば翌月、介護は指定権者あてで15日以前なら翌月・16日以降は翌々月という二系統の違いは訪問看護の開業と事務・請求体制で整理しました。

5-3. 提出日は受理日ではない

前項の期限はすべて「受理」を基準にしています。そして通知には、審査に要する期間の目安も書かれています。

この審査に要する期間は届出を受け付けた日から2週間以内を標準とすること。

提出した日ではなく、地方厚生局が要件を審査して受理を決定した日が起点です。標準で2週間ということは、月末の数日前に持ち込んだ届出が同じ月のうちに受理される保証はありません。翌月受理となれば、算定開始は翌々月になります。

6月1日から算定したいなら5月中の受理が必要で、そこから2週間を逆算すると5月中旬までには提出しておきたい。書類の不備で差し戻されればさらに後ろへずれます。

また、届出前6か月間に不正または不当な届出があった場合、監査による処分を受けた場合、人員要件を満たしていない場合は受理されません。

5-4. 24時間対応体制加算の届出が先

4区分すべてに共通して、24時間対応体制加算を届け出ていることが要件に入っています。機能強化型3・4については、同一開設者の保険医療機関が同一敷地内に設置されている場合、営業時間外の利用者や家族からの電話等による相談への対応を当該医療機関の看護師が行うことができる、という補足も付いています。1・2にこの緩和はありません。

順序としては24時間対応体制加算が先です。そして逆向きの話のほうが重要で、24時間対応体制加算の届出が外れれば、機能強化型の要件も同時に崩れます。 加算そのものについては訪問看護の緊急訪問看護加算|医療と介護で違う3つの加算を整理で扱っています。

5-5. 開設したばかりのステーションは届け出られるか

機能強化型1・2は前年度のターミナルケア件数を要件に含むため、開設初年度の届出は事実上できません。3・4は直近1年間の研修実施と情報提供の実績を求めるので、こちらも初年度は満たせない構造です。

新規開設ステーションについて実績要件を読み替える規定が機能強化型に置かれているかは、保医発0305第9号の第2・第3を確認した範囲では見当たりませんでした。包括型訪問看護療養費については、疑義解釈その9とその10で「届出時に計画を示すことで満たすものとして取扱う。ただし所定の時点で遂行されていなければ速やかに取り下げる」という運用が示されていますが、これが機能強化型に準用されるとは書かれていません。開設間もない時期に届出を検討する場合は、管轄の地方厚生局に確認してください。

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6. 届出後に要件から外れないために

6-1. 毎年8月1日現在の定例報告

届出を行った訪問看護ステーションには、毎年の報告義務があります。

届出を行った訪問看護ステーションは、毎年8月1日現在で届出書の記載事項等について、地方厚生(支)局長へ報告を行うものであること。

機能強化型は、届け出た時点の体制ではなく、維持している体制に対する評価です。常勤看護職員が退職して4人を割った、ターミナルケア件数が前年度の水準に届かなかった、地域への研修が実施できなかった。どれも定例報告で見えます。提出期限そのものは通知に定めがなく、地方厚生局の案内によります。

直近1年間や前年度を単位とする要件は、年度末にまとめて実施しようとすると間に合いません。8月1日を起点にすると、年間の予定はこうなります。

頻度 やること どの区分に関係するか
毎月 別表第七・別表第八の該当者数、精神障害の重点支援対象の数、同一敷地内医療機関以外を主治医とする利用者の割合を集計 3・4
毎月 常勤看護職員の在籍数と、看護職員6割の常勤換算を確認 1〜4
3か月ごと 退院時共同指導加算の算定実績を確認(直近3月に1件以上) 3・4
年2回以上 地域の保険医療機関・訪問看護ステーション向けの研修を実施し、記録を残す 3・4(1・2は回数の定めなし)
年3回以上 連携機関5か所それぞれと面会し、日付・担当者名・目的・機関名を一覧に記録 4
年度末 ターミナルケア件数を4種類合算して集計 1・2
8月1日 定例報告 1〜4

6-2. 満たさなくなったときの変更届

要件を満たさなくなった場合の手続きも決まっています。

届出受理後において、届出内容と異なった事情が生じ、当該届出基準を満たさなくなった場合又は当該届出基準の届出区分が変更となった場合には、指定訪問看護事業者は届出の内容と異なった事情が生じた日の属する月に速やかに変更の届出を行うこと。

期限は「異なった事情が生じた日の属する月」です。月をまたいでからではありません。変更後の療養費は、変更の届出を行った日の属する月の翌月から算定します。

区分が下がる場合、たとえば機能強化型1から2へ、あるいは機能強化型3から機能強化型以外へ移る場合も、この変更届で処理します。

6-3. 基準に適合しないことが判明した場合

指導を受けても改善が見られない場合、届出は無効になります。その際には事業者に弁明の機会が与えられます。

届出が無効となった場合、それまでの算定は不当利得にあたるため返還措置が講じられます。さらに、不正または不当な届出をした訪問看護ステーションについては、受理取消し後6か月間、新たな届出を受け付けないとされています。

機能強化型は月の初日の1回だけとはいえ、利用者数を掛ければ月額は大きくなります。要件の該当者を数えるところは、感覚ではなく毎月の集計で押さえておく領域です。運営指導・適時調査で何を見られるかについては訪問看護の運営指導対策にまとめました。

6-4. 自分の地域に何件あるかを調べる

地方厚生局のサイトには、管内の訪問看護ステーションの指定一覧と、基準の届出受理状況が公表されています。「◯◯厚生局 訪問看護 届出受理状況」で辿れます。受理番号の欄に「訪看機1」から「訪看機4」の記載があるステーションが、機能強化型を届け出ているところです。

同じ市区町村や近隣に機能強化型が何件あるかは、退院時の連携先として選ばれるかどうかに関わります。取りに行くかどうかの材料の1つになります。

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7. 月の2日目以降は別の区分

7-1. 機能強化型は月の初日の1回だけ

ここを取り違えると収支の見込みが大きくずれます。機能強化型訪問看護管理療養費は、月の初日の訪問についての区分です。2日目以降の訪問には、機能強化型かどうかによる差はありません。

令和8年6月の改定では、2日目以降の構造も変わりました。従来は訪問看護管理療養費1(3,000円)と2(2,500円)に分かれ、いずれも施設基準の届出を要していましたが、この2つは統合され、届出も不要になりました。代わりに、単一建物居住利用者の人数と、その月の訪問日数だけで額が決まります。

7-2. 2日目以降の区分と、日数の数え方

単一建物居住利用者 月15日目まで 月16日目以降24日目まで 月25日目以降
イ 20人未満 3,010円 3,010円 3,010円
ロ 20人以上50人未満 2,510円 2,310円 2,210円
ハ 50人以上 2,410円 2,210円 2,010円

20人未満の区分には日数による逓減がありません。3,010円の一本です。日数の3分岐が効くのは20人以上の場合だけで、ここは表を横に読むと見落とします。

日数の数え方には定めがあります。留意事項通知に「算定する日における、訪問看護管理療養費又は包括型訪問看護療養費を算定する日数に応じて」とあり、包括型訪問看護療養費を算定した日も日数に含めて数えます。 包括型を併用しているステーションが管理療養費の日だけで数えると、逓減後の区分を適用し損ねて過大請求になります。

「単一建物居住利用者」の人数も同じ構造で、同月に当該訪問看護ステーションが訪問看護管理療養費または包括型訪問看護療養費を算定する者の人数で数えます。同一日ではなく同月、基本療養費ではなく管理療養費。同一建物居住者との違いは訪問看護の同一建物減算|医療と介護で違う数え方で整理しました。

7-3. 1か月の管理療養費を組み立ててみる

一戸建てに住む利用者に、月8回訪問した場合で考えます。単一建物居住利用者は1人なので20人未満の区分です。

  • 月の初日の訪問(1回目):機能強化型1なら13,760円、機能強化型以外なら7,710円
  • 2日目以降(2〜8回目の7回):3,010円 × 7回 = 21,070円

機能強化型1で合計34,830円、機能強化型以外で28,780円。差は6,050円で、月の初日の1回分の差そのものです。訪問回数を増やしても、機能強化型による差は広がりません。

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8. 隣接制度との関係

8-1. 包括型訪問看護療養費とは同一日に算定できない

令和8年6月に新設された包括型訪問看護療養費は、訪問看護管理療養費を含んだ1日あたりの包括評価です。告示の注に、併算定の制限が明記されています。

包括型訪問看護療養費を算定する場合にあっては、同一日に、区分番号01の訪問看護基本療養費、区分番号01-2の精神科訪問看護基本療養費及び区分番号02の訪問看護管理療養費は、別に算定できない。

禁止されているのは同一日の併算定です。同一月ではありません。機能強化型を届け出ているステーションが包括型も届け出ること自体は妨げられていません。

ただし、その月の最初の訪問日が包括型を算定する日だった場合に、次の非包括型の訪問日を「月の初日の訪問」として機能強化型を算定できるのかどうかは、告示・留意事項通知・疑義解釈のいずれにも定めが見当たりませんでした。この点は開示に回します。なお7-2のとおり、単一建物居住利用者の人数も2日目以降の日数も包括型の算定分を含めて数えるので、制度は包括型の日を管理療養費と同じ土俵で数えてはいます。包括型そのものの算定要件は包括型訪問看護療養費|算定要件・点数・届出にまとめています。

8-2. 精神科訪問看護基本療養費との関係

訪問看護管理療養費の注1は、訪問看護基本療養費及び精神科訪問看護基本療養費を算定すべき指定訪問看護を行っているものが算定する、という書き方です。精神科訪問看護であっても管理療養費は算定しますし、機能強化型の対象にもなります。

一方で、機能強化型4の施設基準に「精神科訪問看護基本療養費の届出を行っていること」という明文の要件は置かれていません。実務上は精神障害の重点支援対象を月7人以上抱えることになるため届出は前提になるはずですが、条文上の要件としては確認できませんでした。

8-3. 介護保険に「機能強化型」はない

用語が似ていて混ざりやすいところです。介護保険の訪問看護費に機能強化型という区分はありません。実績を評価する加算としては看護体制強化加算があります。名前に「体制」と入っていますが、要件の中心は前6月間の緊急時訪問看護加算・特別管理加算の算定割合と、前12月間のターミナルケア加算の件数です。体制を整えて届け出れば取れる加算ではありません。

医療保険 介護保険
名称 機能強化型訪問看護管理療養費1〜4 看護体制強化加算(Ⅰ)(Ⅱ)
9,030円〜13,760円 550単位/200単位
単位 月の初日の訪問1回 1月につき
届出先 地方厚生(支)局長 指定権者(都道府県・市町村)
令和8年6月改定 金額改定+4を新設 看護体制強化加算に改定なし

令和8年6月の介護報酬改定は臨時改定で、訪問看護に関する内容は介護職員等処遇改善加算の新設だけでした。看護体制強化加算の単位数は令和6年度改定のまま据え置かれています。機能強化型の話をしているときに介護保険側の単位数が出てきたら、それは看護体制強化加算です。医療・介護の加算の全体像は訪問看護の加算一覧・早見表にまとめてあります。

8-4. 訪問看護医療情報連携加算とは独立して算定できる

令和8年6月に新設された訪問看護医療情報連携加算(1,000円・月1回)は、訪問看護管理療養費の注14にあたる加算で、機能強化型かどうかにかかわらず、多職種がICTに記録した診療情報等を活用して計画的な管理を行えば算定できます。機能強化型の区分(1〜4)を選ぶかどうかと、この加算の届出をするかどうかは別の判断です。

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9. よくある質問

Q1. 「常勤」とは週何時間以上のことですか。

保医発0305第9号を確認した範囲では、常勤の定義も常勤換算の計算式も見当たりませんでした。就業規則上の常勤の勤務時間を基準にするのが実務上の考え方ですが、条文の裏づけを示せません。判断に迷う職員がいる場合は、届出基準の号を特定して管轄の地方厚生(支)局に照会してください。

Q2. 育児のための短時間勤務の看護師を、機能強化型3・4の常勤4人に数えられますか。

これも定めが見当たりませんでした。3・4は「常勤職員のみの数とすること」とされていて非常勤の常勤換算による算入ができないため、短時間勤務者の扱いが人員要件の成否を直接左右します。届出前に照会すべき筆頭の論点です。

Q3. サテライトに配置している看護職員も数に含まれますか。

含まれます。4区分すべてのアに「サテライトに配置している看護職員を含む」と明記されています。

Q4. 別表第七と別表第八の両方に該当する利用者は、2人と数えますか。

数えません。別紙様式6の記載上の注意に「複数に該当する利用者にあっては、最も該当する1項目に計上すること」とあります。人工呼吸器を使用している状態のように両方に現れる状態があるので、集計表を作るときは重複を除く仕組みにしておいてください。

Q5. 定例報告はいつまでに提出すればいいですか。

通知が定めているのは「毎年8月1日現在で報告を行う」ことだけで、提出期限の記載はありません。地方厚生局の案内で確認してください。

Q6. 機能強化型1と2を同時に届け出ることはできますか。

月の初日に算定するのはイからホのうちの1つで、届出も別紙様式6の1枚で区分を選ぶ形式です。上位の要件を満たしているなら上位の区分で届け出ることになります。ただし「同時に2つ届け出てはならない」と明記した条文は見当たりませんでした。

Q7. 24時間対応体制加算のイとロ、どちらでも機能強化型の要件を満たしますか。

通知は「24時間対応体制加算を届け出ていること」としか書いておらず、イ(看護業務の負担軽減の取組を行っている場合)とロを区別する記載は見当たりません。

Q8. 機能強化型を算定している月に、包括型訪問看護療養費を算定できますか。

同一日には算定できません。告示の注8が、包括型を算定する日について訪問看護管理療養費を別に算定できないと定めています。同一月をまたぐ場合の扱いは定めが見当たらないため、開示に記載しました。

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10. 届出と、そのあとに続く事務について

機能強化型の届出は、書類を1回出して終わる仕事ではありません。届出の前に該当者を数え、届出後は毎年8月1日に向けて実績を積み、要件が崩れたらその月のうちに変更届を出す。この流れが、通常の請求業務と並行して回り続けます。

手間が集中するのは、要件の該当者を毎月数えるところです。別表第七・別表第八の該当者数(重複を除いて)、GAF40以下かつ措置入院等の履歴がある利用者の数、退院時共同指導加算の直近3月の算定実績、同一敷地内の医療機関以外を主治医とする利用者の割合。機能強化型4ならこれに、連携機関との面会記録が加わります。判断が要るのは「この利用者が別表第八のどの号に当たるか」といった部分で、そこから先の集計は仕組みで処理できる作業です。

株式会社ainaruは、訪問看護のレセプト請求と届出まわりの事務を代行しています。届出書類の作成、要件の該当者数の月次集計、実績記録の整備といった部分をお引き受けできます。

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確認しきれなかった点

一次資料で確定できなかった項目です。算定できない、あるいは要件を満たさないという意味ではありません。 該当する場合は告示・通知の原本と、管轄の地方厚生(支)局への確認をお願いします。

項目 状況 照会するときの聞き方
「月に3人以上」「月に7人以上」の判定月がどこか(届出直前の1か月か、直近数か月連続か、算定中は毎月か) 届出基準 第6の(3)エ・(4)エに時期の明記が見当たらない 「届出基準 第6の(4)のエの『月に7人以上』は、どの月の実績で判断するか」
「常勤」の定義と常勤換算の計算式 保医発0305第9号に定義が見当たらない。短時間勤務者・育児休業中の職員の扱いも同様 「第6の(3)のアの常勤看護職員に、就業規則上の短時間勤務者を算入できるか」
定例報告の提出期限 「毎年8月1日現在で報告」とだけ定められ、期限の記載がない 管轄局の定例報告の案内ページを確認
月の初日の訪問で包括型訪問看護療養費を算定した月に、その後の非包括型の訪問日を「月の初日の訪問」として機能強化型を算定できるか 告示注8は同一日の併算定を禁じているのみ。月単位の扱いを定めた条文・疑義解釈が見当たらない 「区分番号04の注8がある月に、区分番号02の1(月の初日)は算定できるか」
新規開設ステーションが機能強化型3・4を届け出る際に、実績要件の読み替えがあるか 第2・第3に特則が見当たらない。包括型については疑義解釈その9・その10に計画提出による取扱いがあるが、機能強化型への準用は明記されていない 「疑義解釈その9問1の取扱いは、機能強化型訪問看護管理療養費にも準用されるか」
「前年度」「直近1年間」「直近3月」の暦上の起点と終点 保医発0305第9号に明文の定義が見当たらない。別紙様式6の記入欄も相対表記 「様式6の『前年度』は、届出月を基準にいつからいつまでか」
機能強化型4の連携機関5か所に、法人格や資本関係による限定があるか 通知に限定の記載が見当たらない 「第6の(4)のケの連携機関に、同一法人内の事業所を含められるか」
疑義解釈に機能強化型を扱った問答があるか その1からその11(令和8年7月30日)まで、厚生労働省の一覧で号数を数えたうえで訪問看護療養費関係の別添を確認したが、機能強化型に触れた問答は見当たらなかった。今後の号で示される可能性はある

参考・出典一覧

厚生労働省(告示)

厚生労働省(通知・事務連絡・説明資料)

中央社会保険医療協議会

地方厚生局