「訪問看護の書類作成を、外部に代行してもらえないか」——事務負担が重くなるほど、そう考える管理者は自然に増えます。一方で、「看護の記録や計画書を外部の人が作って、制度上問題にならないのか」という不安もついて回ります。

結論を先に言うと、代行できるかどうかは「書類の種類」ではなく「その作業が事務なのか、専門職の判断なのか」で決まります。 計画書・報告書には、法令で作成する人が「看護師等(准看護師を除く)」と定められています。看護記録も、訪問した看護師等が記載するものです。だから、内容そのものを外部が判断して作ることはできません。逆に、レセプト(請求事務)のように作成主体の定めがない事務は、外部に委ねる余地があります。

この記事は、訪問看護の書類を1つずつ棚卸しして、「どこまでが事務で外部に出せるのか」「どこからが専門職の仕事で外に出せないのか」を、基準省令と通知の原本にあたって整理します。あわせて、外部に委託する場合に必ず必要になる個人情報の体制も示します。

急ぎの方へ

知りたいこと 進む先
そもそも代行できる範囲の考え方を知りたい 1章 結論
自分の事業所の書類を棚卸ししたい 2章 書類の棚卸し
代行できる/できないの分かれ目を知りたい 3章 線引き
レセプト・請求事務を外に出せるか 4章 請求事務の代行
計画書・記録の事務補助はどこまで頼めるか 5章 事務補助の範囲
外部に頼むとき何を整えるべきか 6章 個人情報の体制7章 進め方

1. 結論:代行できるかは「事務」か「専門職の判断」かで決まる

先に全体像です。訪問看護の書類は、大きく2つに分かれます。

① 作成する人が定まっている書類 — 訪問看護計画書・訪問看護報告書・訪問看護記録書です。計画書・報告書は「看護師等(准看護師を除く)が作成する」と基準省令・通知に定めがあり、看護記録は訪問した看護師等が記載します。いずれも、内容を判断して作る部分を外部の無資格者が代わりに行うことはできません。計画書・報告書の欄ごとの書き方と、令和8年6月に医療保険の様式から押印欄が消えたことは訪問看護計画書・報告書の書き方|記入例・様式・押印【R8.6】で扱っています。なおこの除外が及ぶのは計画書・報告書だけで、訪問看護記録書には及びません(准看護師も書けます)。記録書の書き方は訪問看護記録書の書き方で扱っています。

② 作成主体の定めがない事務書類 — レセプト(診療報酬明細書・介護給付費明細書)、実績記録、国保連への請求データなどです。作成する人を有資格者に限る規定は見当たりません。請求事務のような事務作業は、外部に委ねる余地があります。 ただし、請求内容の最終的な責任は事業者に残ります。

つまり、代行を考えるときの問いは「この書類は代行できますか」ではなく、「この作業は、専門職の判断が要る部分か、それとも事務か」です。同じ計画書でも、「アセスメントして計画の中身を決める」のは①の専門職の仕事、「決まった内容を様式に清書・入力する」のは事務、という分け方になります。

わかりやすい例が精神科訪問看護のGAF尺度です。値を判定するのは専門職の仕事ですが、その値を訪問看護記録書・訪問看護報告書・レセプトの3か所に転記するのは事務です。3か所目のレセプトへの記載が漏れやすく、実際に抜けが起こります。記載場所とタイミングの定めは精神科訪問看護基本療養費の記事で整理しました。

同じ切り分けは自立支援医療の上限額管理票にも当てはまります。徴収と記載そのものは訪問した看護師の作業として残りますが、受給者証の有効期間の管理と、記録された徴収額をレセプトの公費欄と突き合わせる作業は事務です。訪問看護の自立支援医療の記事で手順を整理しました。

分類 書類の例 代行の考え方
作成者が定まっている 計画書・報告書・看護記録 計画書・報告書の判断・作成は看護師等(准看護師を除く)、記録は訪問した看護師等が記載。事務補助(清書・入力・電子化・保存管理)は余地あり(境界は通知未確定・要確認)
作成主体の定めがない事務 レセプト・実績・請求データ 事務作業として外部に委ねる余地あり。ただし請求責任は事業者
事業所では作成しない 訪問看護指示書・特別指示書 医師が交付。事業所は受領・保管・整理(事務は余地あり)

この記事では、以降でこの分類を書類ごとに具体化します。なお、後述のとおり「どこまでが事務でどこからが判断か」の細かい線引きには、制度上あいまいな部分が残ります。契約前に指定権者(都道府県・市町村)や地方厚生局へ確認することを前提に読んでください。

この章の出典


2. まず、訪問看護の書類を棚卸しする

代行を検討する前に、自分の事業所がどの書類をどれだけ抱えているかを一覧にします。訪問看護の主な書類は次のとおりです。

書類 何のための書類か 作る主体
訪問看護指示書・特別訪問看護指示書 主治医が訪問看護の実施を指示する 主治医が交付(事業所は受領・保管)
訪問看護計画書 療養上の目標と具体的なケア内容を計画する 看護師等(准看護師を除く)
訪問看護報告書 訪問日・提供した看護内容を主治医へ報告する 看護師等(准看護師を除く)
訪問看護記録書Ⅰ・Ⅱ 利用者の基本情報・訪問ごとの経過を記録する 訪問した看護師等
レセプト(明細書) 医療保険・介護保険へ費用を請求する 定めなし(請求事務)
実績記録・提供票(実績) 提供したサービス実績を記録・報告する 定めなし(事務)
国保連請求データ 国民健康保険団体連合会へ請求を伝送する 定めなし(事務)

指示書は、そもそも事業所が「作る」書類ではありません。 主治医が交付するもので、事業所側は受け取って保管・整理するだけです。ここは最初から事務の領域です。

計画書・報告書・記録は、「作る人」が定まっている書類です。次章で、その定めを原本で確認します。レセプト・実績・請求データは、作る人の定めがない事務書類です。この2グループの違いが、代行できる範囲を分けます。

なお、記録の整備と2年間の保存は、事業者の義務です(後述)。誰が事務を担うにせよ、最終的に記録を整えて保存する責任は事業所にあります。

この章の出典


3. 代行できる/できないの分かれ目

ここがこの記事の中心です。分かれ目は、「その書類を作る人が、法令で決められているかどうか」にあります。

3-1. 計画書・報告書は「看護師等(准看護師を除く)が作成」、記録は訪問した看護師等が記載

医療保険の指定訪問看護について、基準省令(平成12年厚生省令第80号)は作成主体を明記しています。

看護師等(准看護師を除く。以下この条において同じ。)は、利用者の希望、主治の医師の指示及び心身の状況等を踏まえて、療養上の目標、当該目標を達成するための具体的な指定訪問看護の内容等を記載した訪問看護計画書を作成しなければならない。(第17条第1項)

看護師等は、訪問日、提供した看護内容等を記載した訪問看護報告書を作成しなければならない。(第17条第3項)

介護保険側も同じ考え方です。解釈通知(老企第25号)は、こう述べています。

看護婦等(准看護婦及び准看護士を除く。)が利用者ごとに、訪問看護計画書及び訪問看護報告書を作成することとしたもの

さらに、管理者には内容を管理する責任が課されています。

管理者にあっては、訪問看護計画に沿った実施状況を把握し、計画書及び報告書に関し、助言、指導等必要な管理を行わなければならない(老企第25号)

なお、この「准看護師を除く」の定めは計画書と報告書についてのものです。訪問看護記録書は第17条の対象ではなく、訪問した看護師等(准看護師を含む)が記載します。記録も専門職が記載する書類であることに変わりはありませんが、「准看護師を除く」を記録一般にまで広げないよう注意してください。

ここから読み取れることは明確です。 計画書・報告書の「中身を判断して作る」行為は、看護師等(准看護師を除く)の仕事です。看護記録も、訪問した看護師等が記載するものです。いずれも内容には管理者の管理責任が及びます。外部の無資格者が、内容を判断してこれらを作成することはできません。 ここを外部に丸ごと出す、という代行は制度に抵触する可能性が高いと考えるべきです。

3-2. レセプト・請求事務・実績には、作成主体の定めがない

一方、レセプト(診療報酬明細書・介護給付費明細書)、実績記録、国保連請求データについては、作成する人を有資格者に限定する規定は、今回確認した一次情報の範囲では見当たりませんでした。 これらは、専門職の臨床判断そのものではなく、確定した実績を様式にのせて請求する事務作業です。

だからこそ、請求事務は外部に委ねる余地があります。 ただし注意が必要なのは、「明文で代行を許可する規定があるわけではない」という点です。あくまで「作成主体を限定する規定が及ばない事務」という消極的な整理です。そして、請求内容が正しいことの最終責任は、委託しても事業者に残ります。

整理すると、次のようになります。

書類 作成主体の法令規定 代行の線引き
計画書・報告書 あり(看護師等・准看護師を除く) 内容の判断・作成は不可の可能性が高い/事務補助は余地あり(境界は通知未確定・要確認)
看護記録書 訪問した看護師等が記載(准看護師を含む) 内容の記載は専門職/電子化・保存等の事務補助は余地あり
レセプト・実績・請求データ 確認できず 事務として余地あり(責任は事業者に残る)
指示書・特別指示書 医師が交付(事業所は作らない) 受領・保管の事務は余地あり

この章の出典


4. レセプト・請求事務の代行

作成主体の定めがない事務のうち、外部化の効果が最も大きいのがレセプト・請求まわりです。訪問看護の請求は、医療保険(訪問看護療養費)と介護保険(介護給付費)で提出先も様式も異なり、毎月まとまった量が発生します。

外部に委ねる余地がある事務には、次のようなものがあります。

  • 医療保険・介護保険の明細書(レセプト)の作成・点検
  • 実績記録・提供票実績の入力・突合
  • 国保連・支払基金への請求データの作成・伝送準備
  • 返戻・過誤があったときの原因確認と再請求の事務

ただし、請求内容が算定要件に合っているかの最終判断と責任は、事業者に残ります。 「委託したから請求は任せきり」ではなく、「事務工程を巻き取ってもらい、最終確認は事業所が行う」という関係が前提です。

新規利用者の初回加算の算定判断も、暦月の数え方や保険切替の履歴確認など、間違えると手戻りが大きい事務のひとつです。詳しくは初回加算の記事で整理しています。

退院直後の利用者では退院支援指導加算の算定判断も同様です。指導日(退院日)と算定日(初回訪問日)がずれるため、日付の突合を事務側で正確に行う必要があります。

開業のタイミングで事務を雇うか外に出すかを決める場合の判断材料は、訪問看護の開業と事務・請求体制の記事に公的統計だけで並べました。

事務が扱う加算の全体像は、訪問看護の加算一覧・早見表で確認できます。

返戻になったときの読み方と再請求の具体的な手順は、「訪問看護のレセプト返戻|原因と再請求の手順・エラーコード早見表」にまとめています。

なお、この章で挙げた請求事務の代行は、ainaruでも医療保険・介護保険ともに作成から提出まで承っています。委託を検討する際の進め方は7章にまとめました。

この章の出典


5. 計画書・報告書・記録の「事務補助」はどこまで頼めるか

計画書・報告書・看護記録は、内容を判断して作る部分を外部に出せません。では、これらに関する外部の関与は一切できないのかというと、そうではありません。「専門職が判断した内容を、様式にのせる・電子化する・保存管理する」という事務補助には、余地があります。

事務補助として考えられるのは、たとえば次のような作業です。

  • 看護師が決めた計画・記録内容の、様式への清書・データ入力
  • 手書き記録の電子化、記録ソフトへの転記の補助
  • 書類の保存・整理・保管期間の管理(記録の整備・2年間保存は事業者の義務)
  • 主治医への報告書提出などの発送事務

ここで絶対に外に出せないのは、「何を書くか」を判断する部分です。 アセスメント、目標設定、ケア内容の決定、経過の評価——これらは看護師等による専門職の判断で(計画の立案は准看護師を除く看護師等が行います)、管理者の管理責任が及びます。事務補助はあくまで「決まったことを形にする」ところまでです。

そして正直に書いておくべき点があります。「清書・入力といった事務補助が、どこまで“作成”に当たらないのか」を明確に線引きした通知は、今回確認した範囲では見当たりませんでした。 つまりこの境界は、制度上あいまいさが残る領域です。実務で外部に事務補助を頼む場合は、「内容の判断と作成責任は事業所・看護師等が保持する」ことを明確にしたうえで、具体的な作業範囲を指定権者に確認するのが安全です。

この章の出典


6. 外部に頼むなら必ず要る「個人情報の体制」

書類の代行は、利用者の氏名・病名・心身の状況といった要配慮個人情報を外部が扱うことを意味します。だから、代行を頼む・受ける以前に、個人情報を適切に扱う体制が制度上求められます。

まず、従業者には守秘義務があります。

指定訪問看護ステーションの従業者は、正当な理由がなく、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密を漏らしてはならない。(平成12年厚生省令第80号 第25条)

そのうえで、外部に委託する場合は、委託元が委託先を監督する責任を負います。個人情報保護法は委託先の監督を定めており、医療・介護分野のガイダンス(厚生労働省・個人情報保護委員会)は、より具体的に次のように求めています。

委託を行う医療・介護関係事業者は…本ガイダンスに沿った対応を行う事業者を委託先として選定するとともに委託先事業者における個人情報の取扱いについて…定期的に確認を行い、適切な運用が行われていることを確認する等の措置を講ずる必要がある

同ガイダンスのQ&Aは、契約と公表についてもこう補足しています。

個人情報の取扱いに関する事項を含んだ内容で改めて契約する方法もあり/個人データの取扱いに係わる業務を委託している場合には、その旨を公表する

実務に落とすと、外部に書類事務を頼むときは、少なくとも次を整えることになります。

  • ガイダンスに沿った対応をする事業者を、委託先として選定する
  • 個人情報の取扱い(守秘・安全管理措置)を含めた委託契約を結ぶ
  • 委託先の取扱いを定期的に確認・監督する
  • 個人データの取扱いを委託している旨を公表する

代行サービスを選ぶときは、料金や対応範囲だけでなく、この個人情報の体制がガイダンスに沿って整っているかを必ず確認してください。

この章の出典


7. 代行を頼むときの進め方

ここまでを踏まえて、実際に外部委託を進めるときの順番を整理します。

① 書類を棚卸しする。 どの書類が「作成主体の定めがあるもの(計画書・報告書・記録)」で、どれが「事務書類(レセプト・実績・請求データ)」かを、2章の表で仕分けます。

② 事務と判断を切り分ける。 それぞれの書類の中で、「専門職が判断する部分」と「決まった内容を形にする事務」を分けます。外に出せるのは事務のほうです。

③ 委託範囲を言葉で確定する。 「計画書の内容判断は看護師が行い、様式への入力と保存管理を委託する」のように、責任の所在と作業範囲を明文化します。あいまいな範囲は、指定権者に確認します。

④ 個人情報の体制を確認して契約する。 6章の体制(委託先選定・契約・監督・公表)を満たしているかを確認し、守秘・安全管理を含めた契約を結びます。

⑤ 運用しながら定期的に確認する。 委託先の取扱いを定期的に確認し、記録の整備・保存が事業者の義務として果たされているかを点検します。

この順番で進めれば、「どこまでを外に出したのか」「最終責任は誰にあるのか」があいまいなまま委託が始まる、という事態を避けられます。

委託先の種類ごとの守備範囲、事務職を雇う場合とのコスト比較、契約前に確認すべき項目は、訪問看護の事務外注|外注できる範囲とコスト比較・選び方で整理しています。

訪問看護の請求事務・書類事務について、どこまでを事務として巻き取れるか、どこからを事業所に残すべきかの切り分けからご相談に応じています。ainaruが対応しているのは、この記事の線引きでいう「事務部分」です。

  • レセプト(医療保険・介護保険)の作成・提出までの請求事務 — 実績の入力・突合、返戻・過誤時の事務対応を含む
  • 訪問看護計画書・報告書の下書き生成・清書・様式入力の事務工程 — AIによる下書き生成と専任スタッフによる仕上げ。内容の判断・確定は事業所の看護師等が行う前提です
  • 加算の算定要件チェック — 緊急時訪問看護加算・24時間対応体制加算・特別管理加算などの取りこぼし確認

訪問看護の書類・請求事務の外部委託について相談する

この章の出典


8. よくある質問

Q. 訪問看護計画書や報告書を、外部に作ってもらうことはできますか?

内容を判断して作る部分はできません。計画書・報告書は「看護師等(准看護師を除く)が作成する」と基準省令・通知に定めがあり、管理者の管理責任も及びます。ただし、看護師が決めた内容を様式に入力・清書する、電子化する、保存を管理するといった事務補助には余地があります。ここでも内容の判断と作成責任は事業所に残ります。

Q. レセプト(請求)は外部に委託できますか?

作成主体を有資格者に限定する規定は確認できず、請求事務として外部に委ねる余地があります。ただし、請求内容が算定要件に合っているかの最終責任は事業者に残ります。「任せきり」ではなく「事務を巻き取ってもらい最終確認は事業所」という関係が前提です。

Q. 看護記録も代行できますか?

記録の「中身」は、訪問してケアを行った看護師等が記載するものです。外部が内容を判断して書くことはできません。一方、手書き記録の電子化や記録ソフトへの転記補助、保存・整理といった事務補助は余地があります。記録の整備と2年間の保存は、事業者の義務です。

Q. 「書類を丸ごと代行します」という業者は大丈夫ですか?

書類の種類によります。計画書・報告書・記録の「内容の判断・作成」まで外部が行うとすれば、作成主体の規定に抵触する可能性があります。契約前に、どこまでが事務でどこからが専門職の判断なのか、範囲を明確にし、指定権者に確認することをおすすめします。

Q. 外部に頼むと、利用者の個人情報の扱いは大丈夫ですか?

外部委託には、委託先の選定・個人情報を含む委託契約・定期的な監督・委託している旨の公表が制度上求められます。代行サービスを選ぶときは、この体制がガイダンスに沿って整っているかを必ず確認してください。

外部委託を含めた人手不足対策の全体像(採る・辞めさせない・看護に戻す)は「訪問看護の人手不足対策|採用の前にできる3つのこと」に整理しています。

Q. どの書類から外部化するのがよいですか?

作成主体の定めがない事務書類、とくにレセプト・実績・請求データが、外部化の効果が大きく制度上の論点も少ない領域です。まずは請求事務から検討し、計画書・記録は「判断は残し事務だけ補助」の範囲にとどめるのが、無理のない進め方です。

この章の出典


9. まとめ

要点を整理します。

代行できるかは、書類の種類ではなく「事務か、専門職の判断か」で決まります。 同じ計画書でも、内容を判断する部分は外に出せず、様式への入力・保存管理といった事務補助は余地があります。

計画書・報告書は「看護師等(准看護師を除く)が作成」と定められ、看護記録は訪問した看護師等が記載します。 いずれも内容の判断・作成を外部に丸ごと出すことはできません。管理者の管理責任も及びます。

レセプト・請求事務・実績には作成主体の定めがなく、事務として外部に委ねる余地があります。 ただし請求内容の最終責任は事業者に残ります。

外部委託には個人情報の体制が必須です。 委託先の選定・契約・監督・公表を整え、守秘と安全管理を確保する必要があります。

あいまいな線引きは、指定権者に確認してから進めます。 「事務補助がどこまで“作成”に当たらないか」には制度上あいまいな部分が残ります。範囲を明文化し、契約前に確認するのが安全です。

書類の負担を軽くしたいという動機は自然なものですが、「何を外に出し、何を事業所に残すか」を切り分けないまま丸投げすると、かえって制度上のリスクを抱えます。 事務と判断を分けて、事務から確実に外部化していくのが、負担軽減と適正な運営を両立する近道です。

なお、令和8年6月に新設された処遇改善加算など、加算まわりで新たに増えた書類と期限については「訪問看護の処遇改善加算|1.8%の一択・6月開始・出す書類と期限」で整理しています。


ご利用にあたって

本記事は2026年7月時点で公開されている厚生労働省の基準省令・通知、および個人情報保護に関する公的資料にあたって作成しています。そのうえで、次の3点にご留意ください。

制度は改定されます。 基準・様式・通知は改定で変わります。本記事の内容が最新である保証はありません。

線引きには、あいまいさと自治体差があります。 「事務補助がどこまで“作成”に当たらないか」には明確な通知がなく、実地指導の運用は指定権者(都道府県・市町村)や地方厚生局によって差が出うる領域です。本記事は「作成主体を限定する規定が及ばない事務は外部化の余地がある」という消極的な整理であり、代行を許可する明文規定があるわけではありません。

運営指導で実際に確認される書類の全体像は運営指導対策の記事で整理しています。

代行の可否・範囲は、契約前にご自身で確認してください。 判断に迷う場合は、次の窓口にご照会ください。

確認したいこと 窓口
介護保険(指定訪問看護)の運営基準・記録の取扱い 都道府県・市町村(指定権者)
医療保険(指定訪問看護)の運営基準・記録の取扱い 地方厚生局
個人情報の外部委託・安全管理措置 個人情報保護委員会、所轄の窓口

照会した内容と回答は記録に残しておくことをおすすめします。後の実地指導で、そう判断した根拠を説明できます。


参考・出典一覧

厚生労働省|運営基準・書類の取扱い

厚生労働省・個人情報保護委員会|個人情報の取扱い